大町山麓美術館では、開館準備にあたり、美術館運営と長野県の美術文化に長年携わってこられた小林明先生から、展示・作品調査・キャプション作成などについて継続的なご指導をいただいています。
小林明先生の経歴と実績
小林先生は、池田町立美術館(現・北アルプス展望美術館)館長、長野県信濃美術館(現・長野県立美術館)副館長などを歴任され、長年にわたり長野県の美術館活動に携わってこられました。
また、安曇野地域の美術館・博物館などを結ぶ安曇野アートライン推進協議会の事務局長を務め、地域の美術館が連携して文化を発信する活動にも取り組んでこられました。
松本大学では非常勤講師を務め、「安曇野アートライン活動の7年―地域美術館16館の連携―」をテーマとする講演を行うなど、美術館と地域との関係についても豊富な実践経験をお持ちです。
山下大五郎研究との関わり
小林先生は、大町山麓美術館の主要収蔵作家である山下大五郎の研究にも長く携わってこられました。
2010年に池田町立美術館で開催された山下大五郎展では、展覧会図録の編集に携わっています。
この図録は山下大五郎の画業を調査するうえで重要な資料の一つとなっており、その後の山下大五郎展でも展示を構成するための資料として活用されています。
大町山麓美術館でのご指導
大町山麓美術館の開館準備において、小林先生には実際に何度も来館いただきました。
当館が主要作家として収集してきた山下大五郎、足立源一郎の作品を実際に確認していただき、制作年の検証、一次資料の確認方法、作品キャプションの表記、作品配置や展示方法などについて、具体的なご指導をいただいています。
特に制作年などの作品情報については、推測だけで判断するのではなく、展覧会図録や作家資料などの一次資料・文献を確認することの重要性をご指導いただきました。
当館では、その考え方を作品調査の基本としています。
小さな美術館だからこそ専門家の知見を
大町山麓美術館は小規模な私設美術館です。
しかし、規模が小さいからといって、作品を単に壁に掛けるだけの施設にはしたくないと考えています。
作品そのものを確認し、資料を調査し、そのうえで可能な限り正確な情報とともに作品をご覧いただくことを大切にしています。
そのため、館長自身の判断だけで展示を完結させず、長年にわたり美術館の現場に携わってきた外部専門家の知見を取り入れながら、開館準備を進めてきました。
池田町立美術館館長、長野県信濃美術館副館長などを歴任し、さらに山下大五郎研究にも携わってきた小林先生から直接ご指導いただけたことは、大町山麓美術館にとって大変貴重なことです。
今後もご助言をいただきながら、山下大五郎、足立源一郎をはじめとする所蔵作品について調査を続け、北アルプス・安曇野に育まれた美術文化を皆様にお伝えしてまいります。
大町山麓美術館
館長 笠原 武